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書評 「「本当の国語力」が驚くほど伸びる本」

 

 

この本は、私のような文章が書ける可能性を秘めています
私はロジカルに書いているつもりですが、この本も論理的思考力こそが、本当の国語力だと
説いています


「形式」をまず学ぶことで、中身も向上させることができると主張しています。以下、その例を書きますね。
A 「赤組は1位。白組は2位です。」
B 「赤組は1位。でも、白組は2位です。」
Aは、各組の順位を淡々と伝える文章。それに対して、Bには新しい「意味」が生まれています。白
組は赤組よりも悪い結果だったという事実が強調されています。AとBの意味する「内容」は大き
く異なります
。この「内容」に大きな影響を与えたのは「でも」というたった2文字。つまり、「形式的」なものです。
このような「形式」を意図的に操作できれば、「内容」をも操作できるようになります
つまり、論理(形式)をコントロールできれば、文章の意味(内容)をコントロールできるというこ
とです
。だからこそ、論理的思考力さえつけば国語力は確実に伸びる、と断言できると著者は主張しています。

著者が主張する身につけるべき3つの力とは、「言いかえる力」「くらべる力」「たどる力」の3つです。
順に見ていきましょう。

まず、「言いかえる力」から。抽象化と具体化がキーワードです
抽象化 「みかん・ぶどう・バナナ」つまり「果物」です
具体化 「果物」たとえば「みかん・ぶどう・バナナ」です
「つまり」という言葉は、抽象化するときの必須ワードです。その他には、「すなわち」「要するに」「このように」「言いかえれば」「言ってみれば」「別の言い方をすれば」などたくさんありますが、ここでは「つまり」を代表選手として扱います。具体化するときは、「たとえば」が必須ワードです。

「国語・算数・理科・社会」つまり「  」
この問題の答えは「科目(教科)」ですが、これを「勉強」と答える子がいます。
国語・算数・理科・社会<教科・科目<勉強・学習 の図になります。国語・算数・理科
・社会を「勉強」とするのは、枠組みを1つジャンプした考え方ですね。
「勉強」という言葉には、「経験を積み学んでいく」というような広い意味があります。(「学習」と同じ)から、この場合は「教科・科目」という言葉のほうが適しています。
このように抽象化するのは、それなりに訓練を必要とします。他の例も出しておきます。
パトカー・消防車・救急車<緊急車両<車<乗り物 は高度な問題です。

迷ったときは「という」の3文字を使います。
「北海道・東京都・鹿児島県」つまり「日本」。これは、答えは「日本の地名」です。
「北海道・東京都・鹿児島県」という「日本の地名」はしっくりきますね
「北海道・東京都・鹿児島県」という「日本」はヘンです

さらに、抽象・具体を判断する能力を高める問題です
次の文のおかしなところを直しなさい。
「今日、えんぴつとハサミと文房具を買ってきました」
解答例。1 「今日、えんぴつとハサミとセロテープを買ってきました」
2 「今日、調理器具と工具と文房具を買ってきました」
どちらも、抽象・具体の枠組みをそろえています

次の文は、「何」について書かれていますか?
「外国人の中には、多くの日本人はまだ着物を着て街を歩いていると思っている人が結構い
ますね。刀を下げて歩いていると思っている人もいるらしいですよ。」

解答例。1 外国人には、日本人に対する思い込みがあるということ
2 日本人に対する、外国人の先入観
これは、要約力の訓練です。要約力については、他にもいろいろと書かれていますが、長いので省略します。

次は、「くらべる力」暑いと寒い昼と夜というような比べ方を「対比」といいます
「昼と夜」が反対語と言いきれないのは、「朝と夜」「朝と昼」などの組み合わせも成立するためです。このように複数の組み合わせがある対比を「ワンセットタイプ」と呼びます。
また、「暑いと寒い」のような対比は、「正反対タイプ」と呼びます。他には次のような例があります。
「ワンセット」 昼と夜晴れとくもり過去と現在冷たいとぬるい
「正反対」 暑いと寒い大と小内と外生と死明と暗成功と失敗
「くらべる力」とは比力のことを言います。 

くらべる力をつける訓練法
問題。ガラスでできた食器は割れやすい。それに対して、(  )
答えは、「プラスチックでできた食器は割れにくい」など。(木でできた食器なども可)。
「それに対して」以外の表現も学ぶといいです。
例題。彼は北に向かった。一方、彼女は東に向かった
問題。正しいのはどちらですか?
 「北 それに対して 南」(正反対)。
イ 「北 それに対して 東」(ワンセット)。
正しいのはアイは△
ウ 「北 一方 南」(正反対)。
エ 「北 一方 東」(ワンセット)。
どちらも正しい
他にも、「しかし、でも、が」は「対比」の働きをします。

本質を突く「相違点」を見つけられるか?
問題。「音楽」と「図工」の共通点・相違点を文章化しなさい
答え。1 共通点(学校の科目) 相違点(小学校までの呼び方かどうか。図工は美術に変わる)。
2 共通点(学校の科目) 相違点(実体のあるものを生み出す科目かどうか)。
3 音楽と図工は、どちらもABCで評価される科目である。しかし、ひとくちにABCで評価され
るといっても、違いはある。たとえば、音楽は、音程などの客観的基準で評価されることが多
いが、図工は、先生の主観的基準で評価されることが多い。その点では、音楽のほうが、
Cをつけられても納得できる科目だと言える
。(この答案は優秀)。

最後は、「たどる力」正しい因果関係(原因と結果の関係)で書かれている文章が、たどってい
る文章です

例題。青が好きです。だから、赤が好きです
「青が好き。だから、水色も好き」であれば、多くの人が納得するでしょう。しかし、「青が好き。
だから、赤も好き」では、多くの人が疑問を抱くはずです。
大切なのは「多くの人」という部分。「多くの人」が「なるほど、順当だ」と思うかどうかが「因果関係」の判断基準なのです。
より具体的に言えば、「だから」が成立するのは、「10人中8人ほどが納得できる場合」。それが因果関係というものです。
要するに、より高い「客観性」があるかどうかですね

因果関係のミスをなくす方法
例題。けんかした。だから、仲直りした
仲直りした。なぜなら、けんかしたからだ
仲直りした理由があるとすれば、「相手が誤ってくれたから」とか「理解し合えたから」とか、そう
いうことでしょう。「けんかしたから」はおかしいです。
「なぜなら」を使うと、因果関係のミスに気づくことができます

文部科学省は、この本を小学校の全教師、中学校の国語教師に配るべきだと思います今の国語教育は完全に間違っています。国語教育では、この著者の本が一番、お勧めです。

以上。

いつも応援ありがとうございます!